うーん、これは説明はいらないかなー。とりあえず簡単にかくと…
幕末の頃、「人斬り抜刀斎」と呼ばれた維新志士がいた。動乱の収束とともに最強の剣客の伝説を残して姿を消した彼こそ、主人公の緋村剣心。時は流れて明治十一年、流浪人…るろうにとして江戸にたどりついた剣心は、女だてらに町道場の師範代をつとめる、神谷薫と出会い、居候することになる。やがて彼の周りにはさまざまな敵が現れ、また同時に仲間も増えていく。
詳しい話は読んでいただくことにして。
連載の1年前に少し設定の違う読みきりとして掲載されたものを読んだのが最初でした。そのとき、この人はなかなか見所があるかもと思ったのですが、案の定、ヒットしましたね。
それまで、ジャンプに剣客ものというのがなかったのも（まあ、少年誌全体でも少ないと思いますが）よかったのかもしれません。
ジャンプの伝統なのか、この作品も途中から対決格闘ものへの道をたどりますが、もともと剣客というのが対決をモチーフにしたものですし、作者もそのスタイルが結構好きなようでノッて描かれたためか、「ドラゴンボール」や「幽遊白書」のような息切れをすることもそれほどなく、すーっと完結しました。
超有名作品なので、これも解説はいらないかもしれませんが、ごく簡単に。
不良主人公、桜木花道がバスケ部に入り、中学からのスター選手のライバル（と桜木が思っている）流川楓や部長で名センターの赤木、小柄だが指令塔として活躍する宮城リョータ、中学ＭＶＰで３ポイントシューターの三井寿らとともに、全国制覇を目指すというお話。
「キャプテン翼」を見てサッカーを始めた人がいたように、この漫画でバスケをはじめた人が多数。おそらくバスケ漫画としてはもっとも有名で、もっとも情熱的に、もっともうまくその魅力を描いたと思われる作品。
とにかくほめられることが多いですが、週刊少年ジャンプでの連載という形のためか、全体を通してみたときに、多少まとまりの無さを感じます。（わたしだけかな？）またラストも中途半端に終わっており、「第一部完」ということにはしているものの、続きが描かれるのかどうかはあやしいところ。
しかしそれらを補って余りある画力や、個性的な男性キャラクターの描き分けなど、最新作「バガボンド」でも高い評価を得ている作者の実力がうかがえます。
スラムダンク以降はＷＥＢでの連載をしたり、青年誌に舞台を移して活動されていて、メディア芸術祭で賞をとったりと、いまや押しも押されぬ一流漫画家…
売れてない頃を知っている身としては、うれしいような複雑な気分。
売れてない頃。
井上雄彦の原点を知りたい方はぜひ、「カメレオン・ジェイル」（ジャンプコミックス全２巻）を買いましょう。
タイトル作品は、原作つきの仕事人（？）物で、作者にとっては不本意な、見るからにやる気の無さそうな作品ですが、同時収録のデビュー作と読みきり作品に注目です。
デビュー作「楓パープル」では流川楓が主人公。…といってもスラムダンクの同名キャラとはまるで別の人物です（顔は似てるが）。やっぱりバスケが題材です。
…わたしが持っている「カメレオン・ジェイル」は初版なんですよ。で、ペンネームが改名前の「成合雄彦」で載っているんですねー。ジャンプに連載されていた頃、なんだかシティーハンターに似たのがでてきたなぁ、と思って注目していて、連載は短命に終わってしまったのだけど、どうも気になって単行本を買ってしまった次第。この人いつか売れるんじゃないかと思って。…そしたら価値が上がるかなぁ（笑）と思って大事にとってあります。
スラムダンクの前に増刊に掲載された「赤が好き！」を読んだとき、やっぱりこの人実力あるって、確信しました。（ちなみにスラムダンクの主役桜木花道が、違う設定で登場している作品です。）
短編もうまいと思うんですよね。ほかにもたくさんの短編を描いていますけど、なぜかまだ短編集は出ていない。ぜひ出してください。もったいない。
もしかしたら、囲碁を題材にした少年マンガは、これが初めてかもしれませんね。
主人公、進藤ヒカルが祖父の家の蔵の中で見つけた古い碁盤には、平安時代の棋士、藤原佐為の魂が宿っていました。幽霊として復活した佐為の言われるがままに、碁を打ち始めたヒカルは、後にライバルとなる塔矢アキラと出会うことで徐々に碁に興味を持ち始め、やがて彼を追ってプロを目指すようになるのです。
…とあらすじを書くと味気ないので、ぜひ読んでみてください。囲碁の知識はなくても（いやもしかしてないほうが）楽しめます。面白いです。絵もきれいなので、安心して読めるし。すっかりはまっておもちゃの囲碁セットと入門本を買ってしまった私(~_~;)… でも囲碁ってムツカシイ… 論理的数学的思考が必要だわ…＜私にはナイ
ただちょっと心配な点もあります。
ひとつは、ヒカルとアキラの間に実力の差がありすぎること。名人の息子として子供のころから修行してきたアキラに対して、ヒカルはまだ始めたばかり。いくら佐為という優秀な先生がいるとしても、その差は歴然。それを補うためには、ヒカルによほどの才能がなければなりませんが、その点の見せ方がちょっと甘い、というか下手な感じがします。できれば、もともと彼にはこんな（実は囲碁向けの）才能があった、ということを「囲碁をはじめるまでに」描いておいたほうが、短期間で実力を上げられる根拠になって、読んでるほうも納得しやすいと思うんですけど。…理屈っぽすぎるかな？
それから、佐為の存在。
これがこの作品のユニークで面白い点ではあるのですが、当初、佐為がヒカルとして打ってしまったために、後の混乱の元になっています。
初めて出会ったとき、アキラを打ち負かしたのは佐為で、ヒカルは佐為の指示どおりに碁石を置いただけ。でもアキラにしてみればヒカルが打ったとしか見えないわけで、それが後々、自分で打ち始めたヒカルとの実力の差となってアキラを戸惑わせます。やがてはヒカル自身の実力が上がっていくのですが、そうすると佐為が打つ必要はなくなり、佐為の存在意義はなくなってしまいます。
…さーて、どうまとめるのでしょうか。そういう意味では、問題であると同時に大変興味深くもありますね。原作者の腕が問われるところでしょうか。
漫画家の中には、自分で作ったお話よりも、原作つきの作品のほうがよく売れる人がいますよね。もちろん中には、どちらでもいける凄腕もいらっしゃいますけど。
作画を担当する小畑健さんはけっこうベテランで、古くは（？）「CYBORGじいちゃんG」なんて作品もありますが、それほどぱっとせず、多くは原作つきで、それもまたそこそこの人気しかなかった。それがここへきて、ようやくヒットを飛ばしたという感じでしょうか。もともと（ネームを含めた）作画の実力はある方です。魅力的な原作との出会いって、漫画家にとってすごく大切なことなのですね。
2001年10月からTVアニメ化されました。原作の絵が非常にきれいなので心配でしたが、なかなかいい感じに仕上がっていると思います。
製作会社がスタジオぴえろっていうのは、私的にはかなりポイント高いです。スタッフにも見覚えのある名前が。監督の西澤晋さんは昔CAT'S
EYEやCITY HUNTERで作画監督していた（かなりクセのある絵だったけど(~_~;)）ので名前を覚えてる。キャラクターデザインの本橋さんはゴッドマーズの映画版のキャラクターデザインをしていたなぁ（変な覚え方）。あ、この人もCITY
HUNTERに参加してたっけ。
ヒカルの声が…ちょっと女の子っぽいのが気になりますが、これもあくまで個人的感想。
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